読書メモ:『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』
概要
樺沢紫苑さんの著書『読んだら忘れない読書術』にある「精神科医がお勧めする珠玉の31冊」の1つです。
本文では、アドラー氏による言葉が先に提示され、その後、解説者による例示を伴った詳説が展開されます。
所感
「アドラー氏の言葉→詳説→アドラー氏の言葉」といった形で言葉を再び読み返すことで、要旨を消化できるように思えました。
特に、人間関係で悩みが起こりそうな部分に対し、「淀んだ空気で充満した部屋の中に、外から新鮮な空気を吹き込む」ような効果がありそうな印象を持ちました。
詳説では、家族、職場など、周囲の関係とそれに対峙した時の自己の受け止め方について、端的かつ平易にまとめられていると思います。
自身にとっては決して心地よい言葉だけではなく、耳が痛くなるような内容もありました。
例えば「他人を変えることはできないが、自分は変えることができる」など、これまで生きてきて一度どこかで見たり聞いたりした言葉が出てきました。
その言葉が出てきた時は心がどきりとしましたが、詳説を読み続けてゆくと沁みるように内容が入ってくる本のように思いました。
また、「共同体感覚」という言葉が中盤以降に幾度も登場しました。
これは、自ら周囲に貢献することで他者から感謝され、かつ他者から支援されることで生まれる「自分の居場所がある」といった感覚とされています。
この言葉が、この本の中で自身にとって最も重要なキーワードのように思えました。
日々を心地よく、成長を実感しながら暮らすための「心の持ちよう」について、決して時代に流されずに木の根や幹となって支えてくれる内容のように感じました。
これからも折に触れて読み返したいと思っています。
心に残った内容
- できない自分を責めず、その状況をまず認める
- 他者に貢献することで、社会の中での居場所を作る
- 相手の関心に対して関心を持つことは共感となり、自分の関心を相手の状況に当てはめることは同情や押し付けとなる
書籍情報
『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(電子版)
小倉 広 解説、ダイヤモンド社、2014年発行